「AMED公開生討論-ゲノム医療実現の見えざる阻害を炙り出す!」 ~AMED「NGS現場の会 第5回研究会」にて企画セッションを実施

AMED基盤研究事業部バイオバンク課は、2017年5月22日~24日の3日間、仙台 国際センターで開催された「NGS現場の会 第5回研究会」にて、2日に渡って連続特別セッションを実施しました。

これは、ゲノム医療に従事する研究者らが抱える障壁を明らかにしたいと企画したもので、1日目(23日)は「AMED公開生討論-ゲノム医療実現の見えざる阻害を炙り出す!」、2日目(24日)は「続・AMED公開生討論-これだけは言っておきたい!」と題して、2日間・延べ170名が参加されました。

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研究のための研究ではなく、ゲノム医療実現のための研究に向けて

顕在化する障壁を知る

セッション1日目は、AMEDが行うゲノム医療研究事業の背景や研究支援機能の概要を説明した上で、これらの支援が果たして研究の加速につながるのかを現場に立ち戻り考えるべく、研究や医療の現場で顕在化している障壁や阻害要因を具体的な項目からあぶり出そうとしました。データシェア、シェアされるデータの内容、時間、研究費、設備、人、スキル、倫理などを挙げながら参加者の皆さまと交わした率直な意見や議論を通じて、現場の実態を共有しました。

会場からは「データシェア、特にフェノタイプ情報がシェアされていない。電子カルテが普及される前のデータにも光を当てる必要がある。しかし、膨大な紙カルテから臨床医がフェノタイプ情報を抽出するのは大変な作業。かかる労力に対して、人材なり予算を。」「ゲノム医療研究の成果が医療現場と結びついていかない。」「研究を阻害する一番の要因は医療制度」といった意見や、「AMEDが支援するゲノム研究は何のため?医療の実現か、それとも医療研究そのものの推進か?」などAMEDによる支援の最終目的を問う意見などが出されました。


「雇用面」が研究推進の妨げか? 参加者アンケートを元に聞く"現場の声"

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セッション2日目は、1日目に行った参加者アンケートで得た結果をもとに、引き続きの議論がなされました。アンケート回答者64名のうち、ゲノム医療に関わっている方は75%、9割弱が20−40代でした。主に大学・研究機関の所属者で、その約半数が講師や助教、任期つき雇用形態の方が8割にも上りました。

回答者の4分の3が「研究進めるうえで妨げになっていることが"ある"」と答え、妨げ要因として最も多かったのは「雇用面」でした。若手人材がさらにゲノム医療研究分野で活躍していくために必要と考えられる支援等についても「安定した雇用支援」が挙げられました。

この結果から、以降のディスカッションも、雇用や人材育成、継続した研究支援についてフォーカスし展開されました。


今回、AMED主催セッションに参加された水野泉氏(文部科学省 研究振興局 ライフサイエンス課)は、「朝早い時間枠にも関わらず多くの方にお集まりいただき、また、アンケートにもご協力いただきました。まさに今、主力となって研究を推進している方々の本音を伺うことができたのではないかと思います。実際に会場に足を運んでみて、国がトップダウンで進めるプロジェクトが実情とかけ離れたものにならないためにも、現場の声を聞くことは大切だと改めて強く感じました。また、そのような声を現場から伝える機会や場面があまりないこと、どこに対して伝えるとよいのかがわかりにくいこと、も課題かもしれません。知ろうとする努力、伝えようとする努力を怠ることなく、今後の事業の推進に取り組んで参ります。」とコメントを寄せています。


AMEDセッションで使用した資料(アンケート結果を含む)

「NGS現場の会」HP  http://www.ngs-field.org/

「NGS現場の会」第5回研究会特設ページ http://ngs5.org/